トロワ姫と愉快な仲間たち   《 投稿作品 vol.24 》
 
作品名 : トロワかぐや姫と帝
   王子様 : ヒイロ 投稿者 : ぐりん さん

 トロワ姫の美しさはたちまち評判となり、大勢の求婚者が詰め掛けました。しかし、どれほど高価な贈り物をしても、トロワ姫の心をつかむことはできません。

 ヒイロ帝も、トロワ姫のうわさをきいていましたが、別に興味はなく、その日もお忍びで遠乗りに出かけました。竹林の中を歩いていると、どこからともなく美しい笛の音がきこえてきます。音のするほうへ進んでいくと笛を吹いているトロワ姫のまわりで狼の群れが、気持ちよさそうに眠っていました。
「何の用だ?」
ヒイロの存在に気づいたトロワが問い掛けました。
「狼たちと同じだ。笛の音に惹かれてきただけだ。」
「そうか、別にたいした腕ではないが、好きなだけきいていくといい。」

その日から、トロワの笛をききにいくのがヒイロの日課になりました。トロワも、何もいいませんが、ヒイロのために毎日、笛を吹きつづけました。

その日も、いつものように2人でいると月からトロワの迎えの使者がやってきました。
「行くのか?」
ヒイロに聞かれたトロワは答えず、使者のほうを向かって言いました。
「すまないが俺は行けない。ここで毎日待ちたい人がいるから。」
月からの迎えは諦めて帰り、トロワとヒイロは相変わらず竹林で逢瀬を重ねています。


*** END ***


■ 投稿者の方からのメッセージ ■

読むのが専門なのですが、誰も、投稿してくれないので、自分で出しました。マイペースな2人ですが、気にいっていただけるとうれしいです。でも、恥ずかしいので、載せなくてもかまいません。



■ from 管理人 ■

「載せない」なんて、そんな勿体無いこと、とても私には出来ないです〜!(>_<) ドリームは、皆で一緒に楽しんだ方が、より一層、楽しいと思いますので、これからも是非、分かち合ってくださいませ。そして、ご一緒に楽しみましょう!!(^-^)

冒頭でヒイロが、評判になっている姫の噂を聞いても、特に興味を示したりしないところが私は、とってもヒイロらしいなと思いました。 『 気持ちよさそうに眠っている狼達に囲まれながら、笛を吹いているトロワ 』 というシチュエーションも、ウットリですよね!トロワはきっと狼達にも、とても慕われていることでしょう(*^-^*)。

月の使者が来た時も、敢えて、「行くのか?」と尋ねたヒイロには答えずに、月の使者に向かって「待ちたい人がいるから」と告げるトロワが、凄〜く素敵だと思います!交わす言葉は少なくとも、互いに離れがたく思っている二人。そんな二人の様子が、とてもよく伝わってくる、雰囲気のあるお話だと思います。


前の作品投稿作品 目次次の作品
[ 前の作品 ][ 投稿作品 目次 ]に戻る[ 次の作品 ]



BackHome
[ コーナーTop ]に戻る[ Home ]に戻る