理由すら忘れてしまうほどの大昔からいがみ合ってきた二つの家。
とりあえず憎い(らしい)敵地へ乗り込んできたロミオ・五飛。
美しい月の浮かぶ夜空を見上げると、開いた窓からレースのカーテンがバルコニーに踊る一室を見つけた。
(あそこから侵入できそうだな。)
ロミオ・五飛は近くに立っていた木によじのぼるとそのままバルコニーに飛び移った。
たん、と軽やかに着地したロミオ・五飛は部屋から香る優しく、懐かしい香りにふと・・目を上げた。
「・・誰だ」
視線の前には、風呂あがりらしく、しっとりとマスタードブラウンの髪を濡らし
少し頬を紅潮させた美しい姫(笑)ジュリエット・トロワの姿があった。
「俺の名は五飛!逃げも隠れもしない」
侵入してきたくせに何故か開き直って堂々とそう告げる。姫の艶やかな(笑)姿への内心の動揺を隠して。
「はぁ・・?」
整った顔に眉をひそめると、羽織るだけの白いシャツからすらりとのびた細く長い手で髪をかきあげる。
「・・・・・・。」
その一連の動作を見つめていたロミオ・五飛はおもむろにジュリエット・トロワに近づき、
「俺は正しい。俺が正義だ。」
と呟いた。
ジュリエット・トロワがその呟きに問い掛けるのより先に、ロミオ・五飛がすっ・・と左手で頬を撫でるように肩へ手をかけた。
そしてすかさず右手でトロワへボディブローをかます。
「はぁっ!!」
「ッ!!?」
ドウッ・・!と鈍い音が響き、ずるずるとトロワの身体が五飛にもたれかかる。
それをしっかり抱きとめ、お姫様だっこに持ちかえる。
「・・・。」
意識を失ったトロワの顔をじっくり見つめ、ニヤリと不敵な笑みをこぼすロミオ・五飛。
そしてそのままバルコニーから飛び降り、闇の森の中に消えていった。
*** END ***
■ 投稿者の方からのメッセージ ■
初めましてです!・・・なのにこんなちょっとおかしなもの書いちゃってすみませ〜ん(^^;
自分文才ないのにお邪魔させていただきましたぁ。
お目汚しです、失礼致しました・・・・。
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