デュオ王子が深い森を苦労して抜けているのも、ただ一つ、ガラスの棺に入った美人を拝もうという、一心だった。
「コレが噂の美人さんか!!」
王子らしからぬ、開けっぴろげな性格で、デュオ王子はすぐに、側にいる小人達から、情報を得るのだった。
「もったいねえなあ〜。こんな美人を森の中にほっておくなんて」
デュオ王子はそうぶつぶつ呟くと、この美人をさらっていこうと、思いつくのだった。
「王子の名に掛けて、解毒剤を見つけてみせるぜ!」
と小人達と約束し、棺からトロワを抱き上げた瞬間、その白い喉元にデュオは理性を吹っ飛ばした。
「ああ、もう、ダメ…」
デュオは小人達の目の前であることも忘れて、トロワを抱きかかえたまま軽くキスをした。とても息をしていないとは思えない唇の温もりに、もう一度、更にもう一度、とキスを重ねていると、掛かっていた魔法が解けてトロワは目を覚ました。
万歳三唱の小人達の目の前で、デュオはいきなりのプロポーズをした。
「そう、言われてもな…」
小首を傾げるトロワに、デュオはオッケーが取れるまで帰らないと宣言した。その内、不肖の王子を捜しにきた大臣達に説得され、小人達まで一緒にくっついて、トロワはデュオの元へと行くことになるのだった。
*** END ***
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